津波

平成16年12月26日のインドネシア・スマトラ島沖地震による津波は、東南アジア沿岸地域に壊滅的な打撃を与える結果となりました。
では、東京湾岸ではどうでしょうか?
中央防災会議「首都直下地震対策専門委員会」が発表した内容によると、東京湾での津波の最大級ケースでは50cm未満という想定をしていますが、ここでは、建物の立地として、東京湾に面した場所の津波による影響について、「津波とは」「過去の被災」「今後の想定」等から考えてみたいと思います。

津波とは

地震、海底変動等によって生じる波長の長い波。海岸に近づくと急に波高を増し土手のようになって押し寄せることをさします(小学館現代国語例解辞典(第二版)より)。

「高潮」と「波浪」との違い

「高潮」は、低気圧の接近などによって波が高くなること、 「波浪」は、海上を吹く風によって発生した海水表面の動きのことをさします。
※津波以外につきましては、TIPSの「台風・洪水」をご参照ください。

「津波」の特徴

エネルギー
「津波」は海底地盤の上下による海水全体の動きのため、そのエネルギーは非常に大きい。
周期(波の山から次の波の山までの時間)
数分から数十分と長い。このため、波の押しが長時間継続し、陸上の奥深くまで進入する。
波長(波の山から次の波の山までの長さ)
数キロから数百キロと非常に長い。
波高(平均水位との差)
深い海では伝播速度は速いが、陸に近づくにつれ速度は落ち、津波の高さは高くなる。
また、陸地の形状により波高も変化する。一般的には、V字型湾(間口が広く奥が狭い湾)、U字型湾(間口が広くU字形の湾)、直線的な海岸、袋型湾(間口が狭く、奥が広い)の順に津波の波高が高くなる傾向とされている。
なお、津波が陸地を駆け上がった高さ(遡上高)と表現される場合もある。

津波の共振:
海底も含めた湾の形状、大きさや深さによる湾固有周期と津波の周期が一致すると、共振現象を起こし第2波以降は数倍にも増幅される。

過去の被災

日本での過去の津波災害(内閣府防災担当のホームページの資料)によると、西暦684年から1994年までで49件の津波被害記録があるものの、東京湾岸での津波被害はこの記録上にはありません。
東京湾岸においては、台風や大雨等による水害は昔から多くありましたが、津波被害については過去なかったと言っても過言ではないと思われます。

今後の想定

中央防災会議「首都直下地震対策専門委員会」が2004年11月17日に発表した内容によると、東京湾内で最高の津波の高さとなるのは、東京湾内直下型の地震で、その津波の高さは50cm未満と想定しています。
大きな津波を発生させるプレート型地震である東海・東南海地震が発生しても、伊豆半島等の地形上の理由から東京湾岸では津波の大きな影響を受けないと考えられています。

出典:
中央防災会議「首都直下地震対策専門調査会」(第12回)
地震ワーキンググループ報告書(図表集)
平成16年11月17日 内閣府防災担当

立地環境

東京湾は、狭い間口が長く続く奥行きのある袋型で、外洋からの津波の影響を受けにくく、高潮対策である防潮堤や水門等の整備がされており、東京湾内で最大と想定されている50cmの津波に対しても、ほとんど問題はないと考えられます。なお、先のインドネシア・スマトラ島沖地震では、スリランカ・ガールの旧市街地で、17世紀にオランダが造った高さ約5メートルの城壁が津波を食い止め、住民約千人の命を救っていたという情報もあります。(asahi.com2005年1月4日ニュース記事より)

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